○外ヶ浜町セクシャル・ハラスメント防止対策要綱

平成19年10月1日

訓令第3号

(趣旨)

第1条 この要綱は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)第21条第1項の規定に基づき、職員がその能率を十分に発揮できる良好な勤務環境を確保するためのセクシャル・ハラスメント(以下「セクハラ」という。)の防止及び排除のための措置並びにセクハラに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) セクハラ 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。

(2) セクハラの防止及び排除 セクハラが行われることを未然に防ぐとともに、セクハラが現に行われている場合にその行為を制止すること及びその状態を解消することをいう。

(3) セクハラに起因する問題 セクハラのため職員の勤務環境が害されること及びセクハラへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けることをいう。

(不利益な取り扱いの禁止)

第3条 任命権者は、職員がセクハラに対する拒否及び抗議、セクハラに対する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他セクハラに関し正当な対応をしたことにより、いかなる不利益も受けないよう配意しなければならない。

(職員が認識すべき事項)

第4条 職員は、別表第1に定める事項を認識し、セクハラ事案に対して適切に対応しなければならない。

(監督者)

第5条 監督者(調整監以上の職にある者をいう。以下同じ。)は、次に掲げる措置を講じてセクハラの防止及び排除に努めなければならない。

(1) 日常の執務を通じた指導により、セクハラについて、監督する職員の注意を喚起し、セクハラに関する認識を深めさせること。

(2) セクハラが職場に生じていないか、又は生ずるおそれがないか、監督する職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。

(3) セクハラに起因する問題が生じていないか、監督する職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。

2 監督者は、セクハラに起因する問題が生じたときは、適切かつ迅速に対処しなければならない。

(セクハラ相談員)

第6条 職場にセクハラ相談員を置き、総務課長、支所長、病院事務長及び教育長等が指定する者をもって充てる。

2 セクハラ相談員は、原則として相談に適切に対応できる適格性を有する職員のうちから職場の規模等を勘案して、女性を含む複数の人員を指定するものとする。

3 セクハラ相談員は、当該所属職員からのセクハラに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)を処理するものとする。

4 苦情相談は、別表第2に定める苦情相談対応要領に基づき処理するものとする。

(苦情相談)

第7条 職員は、セクハラ及びセクハラに起因する問題が生じたときは、セクハラ相談員に対して、口頭、文書その他適当な方法により、適時、苦情相談を行うことができる。

(懲戒処分)

第8条 職員は、セクハラの態様等によっては、信用失墜行為、全体の奉仕者としてふさわしくない非行に該当するものとして、懲戒処分に付されることがあることを認識し、勤務環境を害する言動をしないよう特段の注意を払わなければならない。

(報告)

第9条 町長は、セクハラ防止対策を適正に実施するため、必要に応じ所属長、監督者又はセクハラ相談員に報告を求めることができる。

附 則

この訓令は、公布の日から施行する。

別表第1(第4条関係)

職員が認識し及び認識しておくことが望まれる事項

種別

認識すべき事項

セクハラをしないようにするために認識すべき事項

1 性に関する言動に対する受け止め方には個人間や男女間で差があり、当該言動がセクハラに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。

2 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合は、同じ言動を繰り返さないこと。

3 セクハラに当たるか否かについて、相手からいつも明確な意思表示があるとは限らないこと。

4 職場におけるセクハラだけでなく、勤務時間外におけるセクハラについても注意すること。

5 職員間のセクハラだけでなく、職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の同じ職場で勤務する者との関係においてもセクハラに注意すること。

職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項

1 セクハラについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見たり、セクハラに関する問題を当事者間の個人的問題として片付けないこと。

2 職場においてセクハラに起因する問題を生じさせないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。

セクハラに起因する問題が生じた場合において認識しておくことが望まれる事項

1 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。

2 セクハラの排除に係る行動をためらわないこと。

3 嫌なことは相手に対して明確に意思表示すること。

4 セクハラ相談員その他信頼できる人に相談すること。

別表第2(第6条関係)

苦情相談対応要領

第1 基本的な心構え

1 被害者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。

2 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。

3 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。

第2 苦情相談の事務の進め方

1 苦情相談を受ける際の相談員の体制等

(1) 苦情相談を受ける際には、原則として2人の相談員で対応すること。

(2) 苦情相談を受けるに当たっては、同性の相談員が同席するよう努めること。

(3) 相談員は、苦情相談に適切に対応するために、相互に連携し、協力すること。

(4) 実際に苦情相談を受けるに当たっては、その内容を相談員以外の者に見聞されないよう周りから遮断した場所で行うこと。

2 相談者から事実関係等を聴取するに当たり留意すべき事項

(1) 相談者の求めるものを把握すること。

(2) どの程度の時間的な余裕があるのかについて把握すること。

(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くこと。

(4) 事実関係については、次に掲げる事項を把握すること。なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのかを把握する。

ア 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係

イ 問題とされる言動が、いっ、どこで、どのように行われたか。

ウ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとったか。

エ 監督者等に対する相談を行っているか。

(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。

(6) 聴取した事実関係等については、必ず記録しておくこと。

3 加害者とされる職員からの事実関係等の聴取

(1) 原則として、加害者とされる職員から事実関係等を聴取する必要がある。ただし、セクハラが職場内で行われ比較的軽微なものであり、対応に時間的な余裕がある場合などは、監督者の観察、指導による対応が適当な場合も考えられるので、その都度適切な方法を選択して対応する。

(2) 加害者とされる者から事実関係等を聴取する場合には、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与える。

(3) 加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、その主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くなど、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応する。

4 第三者からの事実関係等の聴取

職場内で行われたとされるセクハラについて当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要である。この場合、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応する。

5 相談者に対する説明

苦情相談に関し、具体的にとられた対応については、相談者に説明する。

第3 問題処理のための具体的な対応例

相談員が、苦情相談に対応するに当たっては、セクハラに関して相当程度の知識を持ち、個々の事例に即して柔軟に対応することが基本となることは言うまでもないが、具体的には、事例に応じて次のような対処が方策として考えられる。

1 セクハラを受けたとする職員からの苦情相談

(1) 職員の監督者等に対し、加害者とされる職員に指導するよう要請する。

(例)職場内で行われるセクハラのうち、その対応に時間的な余裕があると判断されるものについては、職場の監督者等に状況を観察するよう要請し、加害者とされる職員の言動のうち問題があると認められるものを適宜注意させる。

(2) 加害者に対して直接注意する。

(例)性的なからかいの対象にするなどの行為を頻繁に行うことが問題にされている場合において、加害者とされる職員は親しみの表現として発言等を行っており、それがセクハラであるとの意識がない場合には、相談員が加害者とされる職員に対し、その行動がセクハラに該当することを直接注意する。

(3) 被害者に対して指導、助言をする。

(例)職場の同僚から好意を抱かれ食事やデートにしつこく誘われるが、相談者がそれを苦痛に感じている場合については、相談者自身が相手の職員に対して明確に意思表示をするよう助言する。

(4) 当事者間のあっせんを行う。

(例)被害者がセクハラを行った加害者に謝罪を求めている場合において、加害者も自らの言動について反省しているときには、被害者の要求を加害者に伝え、加害者に対して謝罪を促すようあっせんする。

(5) 人事上必要な措置を講じるため、人事当局との連携をとる。

(例)セクハラの内容がかなり深刻な場合で、被害者と加害者を同じ職場で勤務させることが適当でないと判断される場合などには、人事担当部門との十分な連携の下に当事者の人事異動等の措置をとることも必要となる。

2 セクハラであるとの指摘を受けたが納得がいかない旨の相談

(例)昼休みに自席で週刊誌のグラビアのヌード写真を周囲の目に触れるように眺めていたところ、隣に座っている同僚の女性職員から、他の職員の目に触れるのはセクハラであるとの指摘を受けたが、納得がいかない旨の相談があった場合には、相談者に対し、周囲の職員が不快に感じる以上はセクハラに当たる旨注意喚起をする。

3 第三者からの苦情相談

(例)同僚の女性職員がその上司から性的なからかいを日常的に繰り返し受けているのを見て不快に思う職員から相談があった場合には、同僚の女性職員及びその上司から事情を聴き、その事実がセクハラであると認められる場合には、その上司に対して監督者を通じ、又は相談員が直接に注意を促す。

(例)非常勤職員に執拗につきまとったり、その身体に不必要に触る職員がいるが、非常勤職員である本人は、立場が弱いため苦情を申し出ることをしないような場合について第三者から相談があったときには、本人から事情を聴き、事実が認められる場合には、本人の意向を踏まえた上で、監督者を通じ、又は相談員が直接に加害者とされる職員から事情を聴き、注意する。

外ヶ浜町セクシャル・ハラスメント防止対策要綱

平成19年10月1日 訓令第3号

(平成19年10月1日施行)