○外ヶ浜町景観条例

令和2年3月12日

条例第34号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観に関する町の施策の基本を明らかにするとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づき必要な事項を定めることにより、外ヶ浜町らしい豊かな自然環境、歴史・文化等の景観を守るとともに、将来に向けてより美しい景観を築き育んでいくことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、法及び景観法施行令(平成16年政令第398号)において使用する用語の例によるほか、次に定めるところによる。

(1) 景観づくり 外ヶ浜町らしい良好な景観を守り、育て、及び創り、並びにこれらを活かしたまちづくりのことをいう。

(2) 町民 町内に住所を有する者、町内の土地又は建築物、工作物又はこれらに類するものに関する権利を有する者及び町内に通勤又は通学する者をいう。

(3) 事業者 建築物又は工作物の新築、新設、増改築その他これらに類する行為を行う者及び土地の開墾その他の土地の形質の変更を行う者並びにこれらの行為に関わる設計を行う者をいう。

(町の責務)

第3条 町は、景観づくりを推進するための施策を策定し、これを総合的に実施しなければならない。

2 町は、公共施設の整備を行うときは、景観づくりにおいて先導的な役割を果たすよう努めなければならない。

3 町は、景観づくりに関する啓発及び知識の普及を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(町民の責務)

第4条 町民は、自らが景観づくりに重要な役割を果たすことを認識し、積極的に景観づくりに努めなければならない。

2 町民は、町が実施する景観づくりに関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、自らの事業活動が景観づくりに重要な役割を果たすことを認識し、その事業活動の実施に当たり、積極的に景観づくりに努めなければならない。

2 事業者は、町が実施する景観づくりに関する施策に協力しなければならない。

(国等に対する要請)

第6条 町長は、必要があると認めるときは、国若しくは他の地方公共団体又はこれらが設立した団体に対し、景観づくりについて協力を要請するものとする。

第2章 景観計画の策定

(景観計画の策定)

第7条 町は、法第8条第1項の規定に基づく景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。

2 町は、景観計画を策定し、又は変更しようとするときは、法第9条に規定する手続を行うほか、あらかじめ第31条に規定する外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

(景観計画重点地区の指定)

第8条 町は、特に一体的な景観づくりに取り組む必要があると認める地区を景観計画重点地区として景観計画に定めることができる。

第3章 行為の届出等

(景観計画との適合)

第9条 法第16条第1項各号に掲げる行為を行う者は、当該行為が景観計画に適合するよう努めなければならない。

(届出を要する行為)

第10条 法第16条第1項各号及び第2項に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより町長に届け出なければならない。

2 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他土地の形質の変更

(2) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)その他物件の堆積

(3) 水面の埋立て又は干拓

(4) 木竹の伐採

(特定届出対象行為)

第11条 法第17条第1項の規定による条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 法第16条第1項第1号に規定する建築物の建築等

(2) 法第16条第1項第2号に規定する工作物の建設等

(届出を要しない行為)

第12条 景観計画区域(景観計画重点地区を除く。)内における法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 仮設の建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更

(2) 屋外における土石、廃棄物、再生資源その他物件の堆積で、次に掲げるもの

 堆積の期間が90日を超えて継続しないもの

 道路等から望見できない場所での堆積

(3) 他の法令等の規定に基づき、許可若しくは認可を受け、又は届出若しくは協議をして行う行為のうち、良好な景観の形成のための措置が講じられるものとして規則で定めるもの

(4) 法第16条第1項各号に掲げる届出を要する行為で、規則で定める規模以下のもの

(5) 開発行為を受けた区域であって、当該区域内の各敷地において2回目以降に行う建築物の新築

(6) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為(法第16条第7項第1号に掲げる行為を除く。)で、規則で定めるもの

2 景観計画重点地区内における法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、前項(第4号及び第5号を除く。)のほか、景観計画において定められた地区ごとに規則で定める規模以下の行為とする。

(国・地方公共団体等の特例)

第13条 国の機関、地方公共団体又は規則で定める公共団体若しくは公共的団体(以下この条において「国の機関等」という。)が行う行為については、第10条第1項の規定にかかわらず、同項の届出をすることを要しない。この場合において、当該国の機関等は、景観計画区域内において届出を要する行為をしようとするときは、当該届出を要する行為に着手する日の30日前までに、その旨を町長に通知しなければならない。

2 町長は、前項後段の規定による通知があった場合において、良好な景観の形成のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関等に対し、景観形成基準に適合するようとるべき措置について協議を求めることができる。

(事前協議)

第14条 法第16条第1項及び第2項の規定による届出をしようとする者は、届出の前に、規則で定めるところにより町長と協議しなければならない。

2 前項の協議をする時期は、規則に定めるとおりとする。

(無届行為者にかかる措置)

第15条 町長は、届出をすべき者が届出をしないで行為に着手したときは、その者に対し、当該行為の種類、場所、設計又は施行方法、施行日程その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 町長は、前項の報告等により無届出行為者(届出をしないで行為に着手した者をいう。以下同じ。)に係る行為が景観形成基準に適合しないことが明らかになった場合において、良好な景観の形成を図る上で著しい支障があると認めるときは、当該無届出行為者に対し、書面により、当該行為を景観形成基準に適合させるために必要な措置をとるよう勧告することができる。

3 第19条第2項の規定は前項の規定による勧告をしようとする場合について、同条第3項及び第4項の規定は前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わなかった場合について準用する。

(適合通知)

第16条 町長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれがないと認めたときは、届出をした者にその旨を通知するものとする。

2 前項の通知を受けた者は、法第18条第1項の規定に基づき、同条第1項本文に規定する期間を短縮して、前項の通知を受けた日から当該届出に係る行為に着手することができる。

(届け出対象外物件に係る要請)

第17条 町長は、良好な景観の形成を図る上で著しい支障があると認められる建築物、工作物、木竹の伐採跡地、土石の採取跡地、屋外に堆積された物件その他の物件(届出をすべき行為に係るものを除く。)の所有者又は管理者に対し、景観形成基準に適合させるために必要な措置をとるよう要請することができる。

(助言及び指導)

第18条 町長は、法第16条第1項各号に掲げる行為が、景観計画に適合しない場合において、景観づくりのために必要があると認めるときは、行為を行う者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。

2 町長は、前項の規定により助言し、又は指導する場合において、必要と認めるときは、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴くものとする。

(勧告及び命令)

第19条 町長は、第18条第1項の規定による助言又は指導に従わない者に対して、当該助言又は指導に従うよう勧告することができる。

2 町長は、前項及び法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

3 町長は、第1項又は法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは、その者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びにその事実を公表することができる。

4 町長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該勧告を受けた者に対し、その旨を通知し、意見を述べる機会を与えた上で、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

5 町長は、法第17条第1項又は第5項の規定により設計の変更、原状回復その他必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

6 町長は、前項又は法第17条第1項又は第5項の命令を受けた者が正当な理由なくその命令に従わないときは、その者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びにその事実を公表することができる。

7 町長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該命令を受けた者に対し、その旨を通知し、意見を述べる機会を与えた上で、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木

(景観重要建造物の指定の手続き)

第20条 町長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物の指定をしようとするときは、あらかじめ当該建造物の所有者の同意を得るとともに、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

2 町長は、前項の規定により景観重要建造物を指定したときは、その旨を公示するとともに、所有者に通知するものとし、規則で定めるところによりこれを表示する標識を設置するものとする。

3 前項の規定は、法第27条第1項又は第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除について準用する。

(景観重要建造物の管理の方法の基準)

第21条 法第25条第2項の規定による条例で定める景観重要建造物の管理の方法の基準は、次のとおりとする。

(1) 景観重要建造物の修繕に当たっては、原則として当該建造物の修繕前の外観を変更することのないようにすること。

(2) 消火器の設置その他防災上の措置を講ずること。

(3) 景観重要建造物の焼失を防ぐため、当該建造物の敷地、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。

(景観重要樹木の指定の手続)

第22条 町長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木の指定をしようとするときは、あらかじめ当該樹木の所有者の同意を得るとともに、外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

2 町長は、景観重要樹木を指定したときは、その旨を公示するとともに、所有者に通知するものとし、規則で定めるところによりこれを表示する標識を設置するものとする。

3 前項の規定は、法第35条第1項又は第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除について準用する。

(景観重要樹木の管理の方法の基準)

第23条 法第33条第2項の規定による条例で定める景観重要樹木の管理の方法の基準は、次のとおりとする。

(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、せん定その他必要な管理を行うこと。

(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を行うこと。

(景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者等の変更等届出)

第24条 景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者、占有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、これらの者でなくなったとき、又はその氏名若しくは住所を変更したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。

2 景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者等は、当該景観重要建造物又は当該景観重要樹木が滅失し、又はき損したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。

第5章 表彰、支援等

(表彰)

第25条 町長は、特に景観づくりに寄与していると認められる建築物、工作物その他の物件について、その所有者、設計者又は施工者を表彰することができる。

2 町長は、特に景観づくりに貢献している個人又は団体を表彰することができる。

3 町長は、前項に規定する表彰を行うときは、審議会の意見を聴くものとする。

(支援等)

第26条 町長は、景観づくりに寄与する活動、建築行為等を行う者及び景観資産、景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者等の維持管理、修繕等に対し、技術的支援を行い、又は経費の一部を助成することができる。

(景観形成協定)

第27条 町長は、一定の地域の住民が当該地域の良好な景観の形成に関する協定を締結した場合において、当該協定が良好な景観の形成を図る上で特に有益であると認めるときは、これを認定し、及び公表することができる。

(景観整備機構の指定等)

第28条 法第92条第1項の規定による景観整備機構(以下「景観整備機構」という。)の指定を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、規則に定めるところにより町長に申請しなければならない。

2 町長は、前項の規定による申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも該当すると認めるときは、申請者を景観整備機構として指定するものとする。

(1) 町の景観に関する施策を十分に理解し、かつ、積極的に町と協力して業務を進めることができること。

(2) 法第93条で定める業務のいずれかを的確かつ円滑に遂行するために必要な経済的基礎を有し、必要な人員の配置その他業務を適正に遂行するために必要な措置を講じていること。

3 町長は、景観整備機構を指定しようとするときは、あらかじめ外ヶ浜町景観審議会の意見を聴かなければならない。

第6章 景観審議会

(目的)

第29条 良好な景観形成に関する事項を調査審議するため、外ヶ浜町景観審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第30条 審議会は、この条例に基づく権限に属するものと定められた事項を調査審議するほか、町長の諮問に応じ、景観に関する事項を調査審議する。

2 審議会は、町長が法に基づく処分その他の行為をしようとする場合において求めがあったときは、その意見を述べるものとする。

(組織及び運営)

第31条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱する。

(1) 町内に住所を有する者

(2) 学識経験者

(3) その他町長が必要と認める者

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 会長は、会議の議長となり、会務を総理する。

6 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第32条 審議会の会議は、次に掲げる場合に、会長が招集する。

(1) 良好な景観形成に関する事項を調査審議するとき

(2) その他審議会が必要と認める事項があるとき

2 審議会は、委員の半数以上の者が出席しなければ会議を開くことができない。なお、会議を欠席する委員のうち、議案等に関する可否を表明する書面を事前に提出した場合は、会議に出席したものとする。

3 審議会の会議の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところにする。

4 審議会は、審議のため必要があると認めるときは、関係者の出席を求め、意見を聴き、又は説明を求めることができる。

(書面会議)

第33条 会長は、次の各号をすべて満たすものに限り、書面で委員の意見を聴き、審議会の議決に代えること(以下、「書面議決」という。)ができるものとする。

(1) 議事内容が良好な景観形成の根幹に関わるような重要なものでないこと。

(2) 書面により議案の内容が明確に理解できること。

2 会長は書面議決の実施にあたり、返信期日を指定し、議案書、書面表決書及び参考図書等を全委員に送付するものとする。

3 期日内に委員の過半数からの返信をもって会議が開催されたものとし、委員は返信をもって会議に出席したものとする。

4 書面表決書は、1議案毎に、賛成又は反対を明らかにするように実施し、委員の署名がないものは無効とする。

5 議決は、委員が提出した書面表決書の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところにする。

6 会長は、書面議決の結果を、全委員に報告するものとする。

(守秘義務)

第34条 委員は、その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(庶務)

第35条 審議会の庶務は、外ヶ浜町役場景観行政担当課において処理する。

(その他)

第36条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

第7章 雑則

(委任)

第37条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和2年5月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行日から町の景観計画の効力が生ずる日の前日までの間は、青森県が定めた景観計画(外ヶ浜町の区域に係る部分に限る。)を町の景観計画とみなす。

(令和4年3月11日条例第14号)

(施行期日)

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

外ヶ浜町景観条例

令和2年3月12日 条例第34号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第3章 都市計画・公園
沿革情報
令和2年3月12日 条例第34号
令和4年3月11日 条例第14号