○外ヶ浜町セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する要綱
平成17年3月28日
教育委員会規程第3号
(趣旨)
第1条 この規程は、職員の利益の保護及び良好な職務環境の確保を目的として、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにセクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規程において「セクシュアル・ハラスメント」とは、他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
2 この規程において「セクシュアル・ハラスメントに起因する問題」とは、セクシュアル・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びセクシュアル・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けることをいう。
(職員の責務)
第3条 職員は、別記第1に定めるところに従い、セクシュアル・ハラスメントをしないように注意しなければならない。
2 職員は、セクシュアル・ハラスメントを生じさせないため、別記第2に定める事項に留意するものとする。
(管理監督者の責務)
第4条 校長、教頭(以下「管理監督者」という。)は、日常の執務を通じた指導等によりセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(所属相談員)
第5条 校長は、所属職員からセクシュアル・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)がなされた場合に対応するため、当該所属の管理監督者の中から苦情相談を受ける職員(以下「所属相談員」という。)を指定するとともに、苦情相談を受けるために必要な事項を定めて、職員に明示するものとする。
2 所属相談員は、苦情相談がなされた場合には、別記第3に定めるところに従い、迅速かつ適切に対処するものとする。この場合において、苦情相談をした職員及び苦情相談に係る調査の協力をした職員等が、他の職員から誹ぼうや中傷等などの不利益を受けることがないように十分配慮するものとする。
3 所属相談員は、苦情相談に対処するほか、当該所属におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に係る意識啓発に努めるものとする。
(専門相談員)
第6条 職員から苦情相談がなされた場合に対応するため、所属相談員のほか、別に定めるところにより、苦情相談を専門に処理する職員(以下「専門相談員」という。)を設置する。
2 専門相談員に対する苦情相談の方法は、別に定める。
附則
この規程は、平成17年3月28日から施行する。
別記第1
<セクシュアル・ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項>
1 お互いの人格を尊重し合い、お互いが大切なパートナーであるという意識を持ち、相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくすこと。
2 性的な言動を不快に感じるか否かには個人差があり、親しさの表現が言動の真の動機であったとしても、場合によっては本人の意図とは関係なく、セクシュアル・ハラスメントになってしまうこともあるということを認識し、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測や相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
3 セクシュアル・ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないことを認識するとともに、自分の言動に対して、相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないように心掛けること。
4 職場においては、職員以外の者に対する言動もセクシュアル・ハラスメントの対象となること、また、職員間においては、職場外の言動についてもセクシュアル・ハラスメントの対象となることを認識し、十分注意すること。
5 自らの性的な言動がその態様によっては全体の奉仕者たるにふさわしくない非行等に該当して、懲戒処分に付されることがあることを認識すること。
別記第2
<セクシュアル・ハラスメントを生じさせないために職員が認識すべき事項>
1 職場の構成員としての心構え
(1) 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために、職場におけるセクシュアル・ハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見たり、セクシュアル・ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片付けないように努めること。
(2) 職場から、セクシュアル・ハラスメントに関する問題の加害者や被害者を出さないようにするために、仮にセクシュアル・ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として行為者に注意し、被害を受けていることを見聞きした場合には、被害者に声をかけて相談に乗るよう努めること。
(3) 職場においてセクシュアル・ハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務できる環境づくりをする上で、上司等に相談する等の方法をとるよう努めること。
2 セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合の心構え
(1) セクシュアル・ハラスメントを受けた場合は、その被害を深刻にしないために、1人で我慢しているだけでは問題が解決しないことを認識し、また、セクシュアル・ハラスメントをなくすことは自分だけの問題ではなく、良好な勤務環境の形成に重要であるとの考えに立ち、勇気を出して行動することをためらわないこと。
(2) セクシュアル・ハラスメントによる被害を受けたと思う場合は、相手に対して明確な意思表示(拒否、抗議、苦情の申出)をし、また、1人で悩まずに身近な信頼できる人や相談員等に相談すること。
別記第3
<苦情相談がなされた場合の処理マニュアル>
1 事態を悪化させないようにするために、可能な限り迅速に対応するとともに、被害者が悩み、苦痛に感じていることが確認される場合には、たとえ、性的言動が軽度なものであっても、行為者に状況を伝えて注意する等、きちんとした対応を図ること。
2 相談者から事実関係等を聴取するに当たっては、相談者が求めていること、また、相談者の心身の状態等に鑑み、どの程度の時間的余裕があるのかについて把握すること。
3 事実関係については、次の事項を確認すること。
(1) 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係。
(2) 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
(3) 相談者は、加害者とされる者に対してどのような対応をしたか、また、加害者とされる者は、どのような対応をしたか。
(4) 相談者は、その他どのような対応をしたか。
なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのかを把握すること。
4 原則として、加害者とされる者からも事実関係等を聴取する必要があること。ただし、セクシュアル・ハラスメントが職場内で行われ、比較的軽微なものであり、対応に時間的余裕がある場合等は、観察、指導による対応が適当な場合もあるので、その都度適切な方法を選択して対応すること。
なお、加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、2及び3を参考とするとともに、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与えること。
5 当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実確認が十分にできないと認められる場合等は、第三者から事実関係等を聴取することも必要であり、聴取するに当たっては、2及び3を参考の上、適切に対応すること。
6 苦情相談を受けるに当たっては、相談内容が他の者に見聞きされないよう遮断された場所において実施すること。
7 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密の保持を厳守すること。
8 苦情相談について具体的な措置を講ずる場合は、校長と相談の上、これを行うこと。
9 苦情相談を受けた場合の手続
(1) 苦情相談を受けた場合は、セクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談処理票(別記様式)により、処理内容等を記録すること。
(2) 所属での対応方法等を判断するために必要がある場合は、専門相談員に相談すること。
(3) 苦情相談に関し、具体的にとられた対応については、当該苦情相談をした者に説明すること。
(4) 苦情相談について解決した場合には、セクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談処理票に問題処理のためにとった具体的な対応及びその結果等を記載して、専門相談員に提出すること(起案処理不要)。
(5) 関係者等に事実の確認等を行った時点又は解決に向けて相応の対応をした時点において、所属では解決できないと判断した場合には、速やかにセクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談依頼票(別記様式)に解決できないと判断した理由、事案の問題点等を記載した書面を付して専門相談員に提出すること(起案処理不要)。
セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する要綱の運用
1 第1条関係
「セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除」とは、セクシュアル・ハラスメントが行われることを未然に防ぐとともに、セクシュアル・ハラスメントが現に行われている場合にその行為を制止し、及びその状態を解消することをいう。
2 第2条関係
(1) 第1項の「他の者を不快にさせる」とは、(a)職員が他の職員を不快にさせること、(b)職員がその職務に従事する際に接する職員以外の者を不快にさせること及び(c)職員以外の者が職員を不快にさせることをいう。
(2) 第1項の「職場」とは、職員が職務に従事する場所を指し、通常勤務している場所以外であっても、出張先(移動のための車中等を含む。)等、職務に従事する場所であれば職場に含まれる。また、会議に付随した懇親会等のように、実質上職務の延長と考えられるものも職場に該当する。
(3) 第1項の「性的な言動」とは、性的な内容の発言及び性的な行動を指すものであり、例えば次のようなものがこれに該当し得るが、ここに例示していないものであっても、性的な言動に当たる場合があることに留意すること。なお、性的な言動は、女性に対するものに限られず、男性に対するものも含まれること。
① 性的な内容の発言関係
ア スリーサイズを聞く等身体的特徴を話題にすること。
イ 聞くに耐えない卑わいな冗談を交わすこと。
ウ 体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」等と言うこと。
エ 性的な経験や性生活について質問すること。
オ 性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とすること。
② 性的な行動関係
ア ヌードポスター等を職場に掲げること。
イ 雑誌等の卑わいな写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること。
ウ 身体を執ように眺め回すこと。
エ 食事やデートにしつこく誘うこと。
オ 性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙・Eメールを送ること。
カ 身体に不必要に接触すること。
キ 浴室や更衣室等をのぞき見ること。
ク 性的な関係を強要すること。
(4) 第2項の「セクシュアル・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること」とは、職員が、直接又は間接的にセクシュアル・ハラスメントを受けることにより、職務に専念することができなくなる等その能率の発揮が損なわれる程度に当該職員の勤務環境が不快なものとなることをいう。
(5) 第2項の「セクシュアル・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること」とは、セクシュアル・ハラスメントに対する拒否、抗議、苦情の申出等の行為により、当該職員が不当な配置換え等、その勤務条件につき不利益を受けることをいう。
3 第5条関係
(1) 第1項の「苦情相談」には、セクシュアル・ハラスメントによる被害を受けた本人からのものに限らず、次のようなものも含まれる。
(a) 他の職員がセクシュアル・ハラスメントを受けているのを見て不快に感じる職員からの苦情の申出
(b) 他の職員からセクシュアル・ハラスメントをしている旨の指摘を受けた職員からの相談
(c) 部下や同僚の職員等からセクシュアル・ハラスメントに関する相談を受けた職員からの相談
(2) 第1項の「所属相談員」は、原則として、教頭を指定するものとする。
(3) 第1項の「苦情相談を受けるために必要な事項」とは、相談員に対する苦情相談の申出方法について口頭による申出に加え、書面等による申出も可とすることのほか、所属の実情に応じ職員が苦情相談を行うために定めておくべき事項をいう。
(4) 第1項の職員への「明示」は、所属相談員名、苦情相談の申出方法等を記載した書面を職員に配布すること等により行うものとする。
4 第6関係
職員は、苦情相談を行う場合は、所属相談員又は専門相談員のいずれでも自由に選択することができる。