北海道、青森県、岩手県及び秋田県は、世界遺産「白神山地」や「知床」など、美しく豊かな自然が今なお色濃く残る、緑豊かなところです。この豊かな自然の恵みを受け、今から約1万5千年前に、私たちの祖先は、縄文文化という素晴らしい文化を築きました。

 日本最大級の縄文集落跡である特別史跡三内丸山遺跡(青森県青森市)や大規模な記念物である特別史跡大湯環状列石(秋田県鹿角市)をはじめ、北海道から北東北に残る数多くの縄文遺跡が、その息吹を今に伝えています。

 

 縄文文化は、日本の歴史と文化の成り立ちを知る上で欠くことのできないものであるだけでなく、自然と人間が共生し、約1万年もの長きにわたって営まれた、高度に発達・成熟した文化です。本格的な農耕と牧畜を選択することなく、狩猟・採集・漁労を生業の基盤としながら定住を達成しました。先史文化としては世界史上極めて稀有なものです。

 

構成資産 私たちは、これら縄文遺跡群が人類共通の宝として未来へ伝えていかなければならない貴重な文化遺産であるとの考えの下、4道県並びに関係自治体が連携・協力して「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録を目指し取組を進めています。北海道5遺跡、青森県8遺跡、岩手県1遺跡、秋田県2遺跡の計16遺跡で構成され、津軽海峡を挟んだ日本列島の北海道・北東北に位置し、縄文時代の各時期(草創期、早期、前期、中期、後期、晩期)における、人々の生活跡の実態を示す遺跡(集落跡、貝塚、低湿地遺跡)や、祭祀や精神的活動の実態を示す記念物(環状列石、周堤墓)で構成された16の資産からなる考古学的遺跡群です。

 

 縄文遺跡群は、その価値が認められ、世界遺産候補としてユネスコ世界遺産センターの世界遺産暫定一覧表に記載されました。

大平山元遺跡とは?

大平山元遺跡全景 国史跡「大平山元遺跡」は、石器の材料となる岩石(珪質頁岩)が採取できる(産出地)蟹田川の近くにあります。後期旧石器時代後半期から縄文時代草創期まで、石器などの特徴の移り変わりを追うことができる遺跡です。

 石器などの特徴では、主に関東地方や中部地方で見られる石器「有樋尖頭器」が、見つかっています。また、北海道で流行した「湧別技法」と呼ばれる石器の作り方を用いた「細石刃石器群」や関東地方より西の方との関係を示す「野岳・休場型」と呼ばれる石器の作り方を用いた「黒曜石製細石刃核」などが見つかっています。これらのような日本列島各地との関係性を示す石器が多く見つかる遺跡は、北日本では他に例がありません。

 さらに、縄文時代草創期では、「神子柴・長者久保石器群」と呼ばれる石器群と無文土器片が一緒に見つかり、石鏃や大型の石刃の集中地点などがあります。

 後期旧石器時代後半期から縄文時代草創期へ生活のスタイルが変わっていく様子を見ることができ、それらを考え、検討する上で極めて重要な情報を持っている遺跡です。